未来のclusterから、toCを切り捨てさせないために
- クラスター株式会社は順調に成長している
- 一方で「cluster」には少し不安も残る
- ユーザーが内需を作る余地がある
2026年4月1日に開催された「クラスターステーションDX」に参加し、本日(イベントの翌日)に公開されたイベントレポートを拝見しました。
clusterがこれまで歩んできた道、そしてこれからの方向性について、非常に分かりやすく整理された内容だったと思います。
昨今、メタバース関連サービスの撤退や縮小といったニュースが続いていることもあり、不安に感じている方も多かったのではないでしょうか。
私自身も、その一人です。
実際にイベントに参加し、社長や社員の方々のお話を聞く中で、
「cluster」というサービスを継続させるために、しっかりとした戦略と努力が積み重ねられていること、そして事業としても安定に向かっていることが伝わってきました。
正直なところ、安心した部分は大きいです。
↓cluster公式から公開されているアーカイブはこちら
【公式】Cluster Station DX ~社長と開発責任者が語る、clusterのいまとこれから~
現状の整理とそれに伴う不安
特に印象的だったのは、「B(法人)向けのビジネスで会社を安定させ、C(個人)向けのプラットフォームを支えていく」という構造です。
この考え方自体は非常に理にかなっています。
サービスを継続させるためには収益基盤が必要であり、そのために法人向け事業が支えになるというのは、投資頼りのサービスに比べると経営として安定しているとも言えます。
実際、clusterにおいても産業DXや教育分野が伸びているという話から、
「サービスが続くための土台が整っている」という安心感は確かに感じました。
一方で、この構造を別の角度で見ると不安が残る部分でもあります。
C向けの領域が「支えられる側」に留まり続ける可能性です。
clusterは現在、いわば「外貨を稼ぐ構造」と「内需を支える構造」の両方で成り立っている状態にあると感じています。
法人向け事業が外から価値を持ち込み、個人向けの活動が内部の経済や文化を形作る。
極端な言い方をすると、
C向けの活動が直接的な価値や経済を生まない限り、それは企業にとって“維持コスト”として扱われる可能性があります。
もちろん、現状のclusterはユーザーコミュニティを大切にしていると強く感じますし、
「サービスを終わらせない」という意思も明確に示されています。
ただ、それが将来にわたって保証されるかというと、話は別です。
経営陣の交代、事業方針の転換、外部からの圧力。
そういった要因によって、「価値のない領域」は切り離されていく可能性は常に存在します。
これは悲観ではなく、構造の話です。
だからこそ重要になるのは、
C向けの領域が「支えられる側」ではなく「価値を生む側」に回ることだと思っています。
(※toBが安定してきたら、toCに対するアレコレも着手していって下さることは予想できますが、現時点での話ですよ)
外貨を稼ぎつつ、内需を潤すには
今のクラスター株式会社を国家として見ると、
- toB(法人向け)=外貨獲得(輸出)
- toC(ユーザー向け)=内需(国内経済)
という構造で成り立っているように感じます。
現状は、いわば「外貨を稼ぐ構造」が安定している状態とも言えますが、
これに加えて「内需を支える構造」も機能している状態が、「cluster」にとってはより盤石なのではないでしょうか。
そして、内需が潤うことで、ユーザーの声や活動が“価値”として扱われやすくなるのではないかと考えています。
(※現状、ユーザーの声が無視されているという意味ではありません)
時間やお金、そして人的リソースは限られています。
だからこそ、価値を生み出している領域に優先的にリソースが割かれるのは、ごく自然なことです。
clusterというサービスに対して、「もっとこうだったらいいのに」と感じたことがある方も多いと思います。
しかし、もしtoC側の活動がより活発になり、明確な価値を生むようになれば、
それに応じて専用の人員が増えたり、より手厚いサポートや機能開発が行われる余地も生まれてくるはずです。
私は今「100CCBazaar」というイベントを企画して実際に動いていますが、これはcluster公式のリソースに極力頼らず、ユーザーが立ち上げるマーケットイベントとして企画しています。
正直なところ、このイベントを企画した年明けの段階では、
「clusterが開催の5月までサービスが続いているのかも分からない」という感覚もありました。
焼石に水かもしれないと思いつつ、それでも何か動いた方がいいだろう、というのが出発点です。(クラスターステーションDXに参加したところ、それは杞憂でしたが)
ただ、cluster内需を大きくするという重要性はまだあるのではないかと強く思います。
100CCBazaarに関してはこちら
(イベント概要欄に参加方法も書いていますので興味があればぜひ)
https://cluster.mu/e/2af255cf-a628-4ca0-a41d-d07f8d3b1b67

個人的な話
個人的には、「守られる側であること」にあまり居心地の良さを感じていません。
庇護される構造は一見安心に見えますが、最終的な判断を相手に委ねることにもなります。
それはつまり、「続くかどうかを自分で決められない状態」でもあると感じています。
もちろん、ユーザーとしては謙虚であるべきだと思います。
運営は万能ではありませんし、サービスを維持するために多くの判断や責任を背負っています。
ただ、それでもひとつ言えるのは、
「価値がある場所は、続く」というシンプルな事実です。
よく「買い支える」という言葉がありますが、
結局のところ、経済的な価値が生まれているかどうかは無視できません。サーバー代も、人件費も全てはお金が無いと始まりません。
しかし、メタバースが面白いのは、
その“価値”が必ずしも企業側から一方的に提供されるものではない、という点です。
通常のサービスであれば、
店側が価値を提供し、ユーザーはそれを受け取る側になります。
一方で、メタバースではユーザー自身が価値を生み出すことができます。
イベントを開く人、アイテムを作る人、場を盛り上げる人。
そうした一つ一つの活動が価値となり、
他のユーザーに消費され、また新しい活動へと繋がっていく。
つまり、ユーザー自身が「価値の供給側」にもなれる構造です。
この構造があるからこそ、
内需をユーザー側で生み出す余地があるのだと思っています。

クラスター株式会社が内需をないがしろにしているという事が言いたいわけじゃないのです。
現状、内需に不安があり、そこはユーザーでも協力できる部分ではある、ということです。
価値=お金だけなの?
ここまで「お金」や「経済」の話をしてきましたが、もちろん、それだけが価値ではありません。
メタバースにおける価値は、売買やイベントのような分かりやすい形だけではなく、
「場の空気」や「賑わい」といった形でも生まれています。
たとえば、誰かのイベントにふらっと遊びに行くこと。
誰かのワールドで時間を過ごすこと。
何気ない会話をすること。
そういった行動のひとつひとつが、「ここは楽しい場所だ」と感じさせる空気を作っています。
イベントを主催している人や、アイテムを作っている人だけでなく、ただ遊んでいるだけだと思っている人も、その場を構成する一つの要素であり、パーツです。
私は何も出来てないと思ってるそこのアナタ!
あなたも立派なメタバースを構成する歯車の一部なんですよ!!
(歯車っていうとちょっとなんか微妙か……風景の一部とか? いかがでしょうか)
また、「盛り上がっている場」というのは、必ずしも大人数である必要はありません。
少人数でも、その場にいる人たちが楽しんでいること。
それ自体が価値であり、他の人を引き寄せる力になります。
そうした積み重ねが、結果的に人の流れを生み、経済の動きにもつながっていくのだと思います。
私がイベントを開催時に度々言っているのですが、イベンターだけではイベントは出来ません。
イベントを開催する人・そのイベントにスタッフとして参加する人・見に来る人、その全てが対等な「参加者」なのです。
写真を上げて下さったり、コメントをして頂けるのはとてもありがたいことですし、なんならただそこに参加して頂けるだけでも、とてもありがたい事だといつも思っています。
さらに言うと、こんな記事なんて気にせず、好き勝手自由気ままにプレイ出来るのがメタバースの良いところです。
まとめ。
ここまで色々と書いてきましたが、
これは決して「運営がもっと頑張るべきだ」という話ではありません。
(いや、むしろここまで建て直せたのは会社としてすごい)
ユーザー側にも関与できる余地があるのではないか、という話です。
clusterという場所は、企業がすべての価値を提供するサービスではなく、ユーザー自身も価値を生み出すことが出来る場所です。
その内側で価値が生まれ、循環しているかどうかは、そもそもclusterだけではなく「メタバース全体」の課題だと思います。
何かを作るでもいいし、誰かのイベントに遊びに行くでもいいし、少しだけ応援するでもいい。
その一つ一つが、場を作り、人を集め、結果として内需を生み出していきます。
そしてその積み重ねが、「支えられる側」ではなく、「価値を生み出す側」としてのtoCを形作っていくはずです。
未来のclusterがどうなるかはわかりませんが、少なくとも、自分の居場所は自分で勝ち取れたらいいですね。
