【手芸工芸!】clusterとリアルを繋ぐ、メタバースでワークショップを開催【電子工作!】
cluster公式企画「Cluster Advent Calendar 2025」への参加記事です。
12月19日を担当させて頂きます。
CHiHAYAと申します。
前日ご担当の宮田和樹さんは「メタバースプラットフォーム cluster を使ったワークショップを実施」ということで、奇遇ですがワークショップ関連の記事が続いています。

はじめに
――メタバースで「手を動かす」有料イベントは成立するのか?
clusterでは、ライブや展示、トークイベントなど、さまざまなイベントが日々開催されています。
見て楽しむイベントが多い中で、
「これ、ワークショップもできるんじゃない?」
そんな素朴な疑問から、今回の企画は始まりました。
私は今回、リアルな材料を使って実際に手を動かすワークショップを、cluster上で有料開催するという試みに挑戦します。
この記事は、実際に準備を進める中で見えてきた、
- 難しかった点
- うまく行きそうだと感じた点
- 「メタバースだからこそ」だと思った部分
を、整理しながら書いています。
なお、筆者はclusterというメタバースSNSで、音楽イベントなどを主催している個人ユーザーです。
専門家というよりは、手探りで試している当事者としての視点でお読みいただければ嬉しいです。
- 準備は大変、フォローも大変
- メタバースならではの最大の利点は場所・距離問題
- 動画ではわからない部分も3Dで立体化可能
clusterで有料ワークショップを開催します
今回開催するのは、参加者それぞれが手元に材料を用意し、cluster上で一緒に作業を進める形式の電子工作のワークショップです。
いわゆる「配信を見るだけ」「講義を聞くだけ」ではなく、
- 実際に手を動かす
- 分からないところはその場で質問する
- 他の参加者の進み具合や完成形を見る(Xやディスコードサーバー越しの予定ですが…)
といった、リアルのワークショップに近い体験を、メタバース空間で行います。
\イベントはコチラ/

今回の試みの特徴:材料は各自で用意してもらう
このワークショップの最大の特徴(そしてハードル)は、
参加者それぞれに、事前に材料を用意してもらうという点です。
リアル会場のワークショップであれば、
- 会場を借りる
- 材料をまとめて仕入れる
- 当日その場で配布する
ということができます。
しかし、clusterというメタバースでは、こちらから参加者の手元に物理的な材料を渡すことができません。
つまり、

材料は各自用意して下さい。
というお願いをする必要があります。
難しい点:材料準備のハードル
正直に言うと、ここが一番難しいポイントです。
- 参加前に準備が必要
- 用意するものが分からないと不安
- 買い忘れ・間違いが起きやすい
- 材料に不備があった場合
ワークショップへの参加意欲が高い人ほど大丈夫ですが、
「ちょっと気になる」くらいの人は、ここで離脱しやすいのも事実です。
また、主催側としても、
- 「材料が揃っていない参加者」が出た場合
- 当日トラブルが起きた場合
そういった場合は、その場でフォローできないという問題があります。
トラブルを防ぐために最大限何が出来るか?
解決策1:とにかく説明
今回は、「とにかく事前に説明出来る事はするしかない」という判断で、下記のページを作成しました。



解決策2:自社キットと言う選択
候補として一度よぎったのが「自社キット」という選択肢です。
そこで考えた解決策は、
自社サイト(またはBoothなど)でワークショップ用のキットを販売するという方法です。
- 必要な材料をあらかじめセットにする
- 「これを買えばOK」という形にする
- 事前に発送しておく
こうすることで、
- 参加者の準備負担を減らせる
- 材料のばらつきを防げる
- 事前に検品を行える
- 当日のトラブルを最小限にできる
というメリットがあります。
メタバースイベントでありながら、
リアルの商品販売と自然に繋がるのも、この形式ならではだと感じています。
今回電子工作で題材にしたArduinoですが実は下の画像に映っている青い基板の部分、自作可能なのです。
Arduino自体がオープンソースになっているので、開発・販売が可能なんですよね。
ただしこの案は「とてもじゃないが有料イベントの期限(2025年中)に間に合わない」ということで今回は却下となりました。
(次回またワークショップを開催する場合は、用意したいと思っています)

ただし、「電子工作のワークショップをやるので、オープンソース使って自作キットを開発しよう」なんてとんでもない事を考えなければ、わりと実現可能な範囲かなと思います。
メタバース開催の利点①:場所代がかからない
これは分かりやすいメリットですが、やはり大きいです。
リアル会場の場合、
- 会場費
- 設営・撤収
- 移動時間
といったコストがどうしても発生します。
clusterであれば、
- 主催者も参加者も自宅から参加可能
- 地方・海外からでも条件は同じ
「場所」という制約がほぼ消えるのは、ワークショップとの相性がとても良いと感じています。
ワークショップというと、お客さんはその地域の方をターゲットにする場合が多いと思いますが、全国各地世界中へ声を掛ける事が出来ます。
お客さん側も、開催地を気にしなくて良いというのは非常に大きなメリットだと思います。
音楽ライブなどでも住む場所によって不公平感(場所によっては新幹線・飛行機での移動や宿泊費が掛かるなど)があったりというのはよく耳にしますよね。
メタバース開催の利点②:3Dで“見せられる”
「場所」という制約は実はメタバースではなくて、ブログ記事や動画でも得られるメリットです。
では、本当のメタバースならではの利点とは何でしょうか?
動画や配信と比べて、メタバースならではの強みがここです。
- 作例や完成品を3Dで表示できる
- 実物サイズ以上に拡大して見せられる
- 角度を変えて説明できる
「ここを見てください」と言いながら、
空間内に大きく表示して、全員で同じものを見る。
これは、平面の動画ではなかなか代替できません。

実際私もHow-to系の動画をよく見るのですが、そこで感じる一番のストレスは「自分の欲しい角度で見れない」「手元が隠れてよくわからない」です。
下記は、実際にワークショップに使おうと思っている資料の一部です。
左側(スマホだと1番目)は電子工作等専用の配線図製作ソフトで作ったものですが、材料の一部が重なってしまい、見えにくくなってしまいます。
右側(〃2番目)は3Dモデルの素材を作り、見えにくい部分の図を補いました。
自由に角度を変えられるし、一度作ってしまえば角度を変えるコストが少ないのが3Dの良い点ですよね。


その他の利点:参加者同士の気配がある
リアル会場ほどではありませんが、
clusterには「同じ空間に人がいる」という感覚があります。
- 他の人が作業している様子が分かる
- 質問がきっかけで会話が生まれる
- 一体感が生まれやすい
「一人で動画を見る」のとは違い、
“場に参加している感覚”があるのも大きなポイントです。
デメリット①:顧客サポート
もちろん、良いことばかりではありません。
- VRや操作に慣れていない人にはハードルがある
- 通信環境に左右される
- 手元作業そのものは直接見てあげられない
特に、細かい手元作業のサポートは、リアルより難しい部分です。
そのため、
- 事前資料を丁寧に作る
- 進行をゆっくりめにする
- 質問しやすい雰囲気を作る
といった工夫が、より重要になると思っています。
特に材料準備の項目でも説明した通り、「その場でのフォローが出来ない」というのはやはり大きな課題だなぁと思います。
デメリット②:準備側にメタバース・3Dの知識が求められる
もう一つの大きなデメリットは、
主催者・準備側が、ある程度メタバースや3Dに精通している必要がある点です。
- ワールドの準備や動線設計
- 3Dモデルの用意・配置
- 見せたい部分をどう空間で表現するか
- トラブル時のリカバリー対応
これらは、リアル会場の設営とは性質が異なり、
「場所を借りれば何とかなる」ものではありません。
特にワークショップの場合、
- 参加者全員が同じものを見られているか
- 説明に迷子が出ていないか
- 視点・距離感・サイズ感が適切か
といった点まで意識する必要があります。
そのため、
「メタバースでワークショップをやる」こと自体が、ひとつの制作行為になり、
準備コストは決して小さくありません。
ただ、すべてを全て3Dで表示して説明するという事に拘る必要もなく、必要に応じて動画やスライドなども併用するのが良いと思います。

この記事はあくまでメタバースに慣れ親しんでいる人間が書いたポジショントークです(大事)
アレコレ作業を外注しようとしたら、普通にリアルの会場を借りるよりも高くなるかも……
〆:三次産業を二次産業・一次産業へ
メタバース上のイベントは、どうしても
「体験」「娯楽」「情報提供」
といった三次産業的な価値に留まりがちです。
しかし今回の試みは、
- メタバース上で学ぶ・体験する
- リアルの材料を使って“作る”
- そのためのキットが実際に流通する
という流れを作ることで、
三次産業(体験・サービス)を起点に、二次産業(製作・加工)、一次産業(材料)へと繋げることを目指しています。
clusterは「ライブを見る場所」「展示を見る場所」だけではなく、
現実の手を動かす行為や、物の流通と結びつく場にもなり得る。
今回のワークショップは、その小さな実験であり、ひとつの可能性提示です。
もしこれが成立するなら、cluster=ライブや展示だけじゃない
「clusterは、リアルの産業と繋がる場所だ」
という、新しい見方を示せるのではないかと考えています。

早く電脳化したいですね。
clusterで開催できそうなワークショップ例(案)
- レジンアクセサリー制作ワークショップ
⇒最近流行りのレジンの「ぷっくり」作業も3Dで説明しやすそう - 刺繍・手刺しゅうの基礎ワークショップ
⇒刺し方や糸の流れを、3Dモデルや拡大オブジェクトで解説できる。 - 革小物(キーケース・コインケース)制作
⇒縫い順や完成形をcluster上で立体的に確認。 - ミニチュア・ジオラマ制作講座
⇒建物や地形の完成イメージを3Dで提示できる。 - 陶芸・粘土造形のデザイン設計ワークショップ
⇒完成イメージや断面構造を3Dで確認できる。
- キャンドル・石けん制作ワークショップ
⇒完成品の形状や色バリエーションを3Dで並べて比較したりできる。 - フラワーアレンジメント/ドライフラワー制作
⇒配置例や完成形をcluster上で立体的に見せられる。 - 木工小物(小箱・スマホスタンド)制作
⇒組み立て順や構造を3Dで分解表示しながら解説出来る。
- フィギュア・造形物の塗装ワークショップ
⇒塗装工程や色分けを3Dモデルで表示し出来る。 - 料理のワークショップ
⇒モデルを作らなくても写真から3Dを起こすのは今簡単に出来るので、案外簡単で、かつ需要があるかも。
これらはあくまで一例ですが、
「手元作業はリアル、理解と共有はメタバース」という分業ができる分野であれば、
応用できるワークショップはまだまだ広がると感じています。
おわりに
まだ実施前ではありますが、
だからこそ「こういうことを考えています」という形で、この記事を書きました。
今後、実際に開催してみて、
- うまくいった点
- 失敗した点
- 想定外だったこと
なども、どこかで共有できればと思っています。
clusterを使ったイベントの可能性を考える一例として、
何かの参考になれば嬉しいです。
\こちらのイベントも宜しくお願いします/

- 準備は大変、フォローも大変
- メタバースならではの最大の利点は場所・距離問題
- 動画ではわからない部分も3Dで立体化可能
